彫刻ゼミ所属、森下莉亜奈さんの作品紹介です。
私は卒業制作作品として等身大の犬を木で彫りました。犬のモデルは数年前に亡くなった愛犬です。1匹はチェスター、もう1匹はキアルという名前でどちらもシェットランド・シープドッグという犬種です。この度、彼らの生きた証を残したいという想いで制作に取り掛かりました。制作した犬は全部で4匹ですが、2匹ずつの組み作品となっています。
『おすわりチェスター(左)・おすわりキアル(右)』
『おすわりチェスター』 楠、アクリル絵具
『おすわりキアル』 楠、アクリル絵具 H620×W270×D770(mm)
これらの作品は2匹が玄関でお出迎えをする様子をイメージして制作しました。「おすわりチェスター」は等身大で作った初めての作品でした。そのため、制作がスムーズにいかず、失敗することもありました。しかし、2作目の「おすわりキアル」ではその反省を活かし、複数の木材を用いた寄木造りに挑戦したり、参考作家研究をして自分なりの毛の表現を追求したりと、よりよい作品にすることができました。
『あそぶチェスター(右)・あそぶキアル(左)』
『あそぶチェスター』 楠、アクリル絵具 H600×W320×D900(mm)
『あそぶキアル』 楠、アクリル絵具 H450×W350×D950(mm)
これらの作品は2匹が大好きだったボール遊びをしている様子をイメージして制作しました。前作はあまり動きのないポーズだったので、今作は動きを意識した作品にしました。「あそぶチェスター」は早くボールを投げて欲しくて吠えているところです。口の中を彫るのがなかなか難しく、大変でした。毛はよりふんわりとした表現を目指し、また、動きを出すためにも風でなびいている様子を表現しました。「あそぶキアル」は最後に制作した作品で、投げたボールを咥えて戻ってきているところです。この作品は、腰の捻りや曲げた脚など今までで1番動きのあるポーズにしました。
この2作品において、納得のいく着彩ができるようになるまで時間がかかりました。参考作家の着彩方法に着目し、色々と試してみましたが、今回は自然に馴染むような色味にしたかったため、その中から1番目的に合ったものを選びました。
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