彫刻ゼミ所属、近藤菜摘さんの作品紹介です。
まず作品全体のテーマについて説明します。本制作のテーマは「衣食住」です。それは、大学時代の衣食住を表現することが、大学生としての集大成である卒業制作にふさわしいと考えたからです。
すべての作品名が「〜ぱなし」で統一されているのは、私の「ぱなし癖」から来ています。
『食べっぱなし』
楠、日本画具、紅茶
H180×W160×D60(mm)
1作品目である「食べっぱなし」では「衣食住」の中の「食」を表現しています。
母は私のお昼ご飯としておにぎりを持たせてくれました。そして、そのおにぎりはいつも茶色い紙袋の中に入っています。他の人にとってはただの紙袋でも、私にとってこの紙袋はお昼ご飯の象徴です。その紙袋を本作ではモチーフとしました。
素材は楠を使用し、岩絵具による着彩をベースに最後は紅茶で染色しました。
『散らかしっぱなし』
楠、オイルステイン、アクリル絵具
H140×W320×D320(mm)
本作では「衣食住」の中の「住」を表現しました。
本作ではぬいぐるみ、口紅、スマートフォン、漫画がモチーフです。
大学生になって、私の生活には化粧や、オンラインによる授業等が新たに登場しました。その一方で、お気に入りのぬいぐるみを大切にすること、漫画が好きなことは変わらないままでした。そこで私の「住」として「変わったもの」と「変わらないもの」の共存する朝の身支度の時間を描きました。
素材は楠を使用し、着彩ではオイルステインとアクリル絵の具、仕上げにニスを塗布しています。
『脱ぎっぱなし』
楠、オイルステイン、アクリル絵具
H1400×W450×D200(mm)
3作品目の「脱ぎっぱなし」では「衣食住」の「衣」を表現しました。
造形芸術系コースでのはじめての制作の時でしょうか。なぜかコースのメンバーでつなぎを着ようという話になりました。アーティストのようでかっこいいというような浅い理由だったとは思いますが、購入して以来、私の制作時はずっとつなぎを愛用してきました。そのつなぎを「衣」のモチーフとしました。
素材は楠、着色はオイルステインをベースに細部はアクリル絵の具とニスを使用しています。
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