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飯間 朱音

本作品について、無断使用・無断転載を禁止しています。


《Freedom of Choice》

B1(72.8×103.0cm)×4枚,Illustratorで作成

絹目調写真用紙にインクジェットプリント

女性の生きづらさやジェンダーギャップに対する問題提起、啓発を行うポスター作品群。作者自身がこれまで感じてきた息苦しさや憤りが契機となり制作を行った。

1枚ごとに異なるテーマを取り上げ、色彩と形態により視覚的に印象付けることで、鑑賞者が作品と対峙する過程で、当事者意識を持ち問題と向き合うことを目的とする。


女性のビジネスシーンにおいて、社会通念上パンプスやヒールの着用が強制されている状況への問題提起をテーマとしている。ビジュアルは、それらの靴による靴擦れで踵を傷めている様子。

旧来からのジェンダーロールに則った「結婚し、子どもを生み育てる」幸せの形を周囲や社会から期待されることへの苦悩がテーマ。

特に女性は「妊娠する」という身体機能上、その責任が重くのしかかる。

同じ花が咲くように育てられてきた中でも、その期待とは異なる人生のあり方を求めて良いのだ。


女性は身体特性上、攻撃対象として標的になるリスクが高い。そのため、常に防衛意識を高く持つことを余儀なくされる。

作者自身も本来は好きなはずのメイクアップから、弱く見られて攻撃されないために行う武装のように消極的な性質が感じられたことで、武器を模したメイク用品をモチーフとしている。


女性特有の身体現象である生理・生理痛やPMSなどの苦痛の存在を知らしめ、「生理による苦痛の共有は恥ずべきだとする風潮」に異議を唱えるポスター。

重く痛々しい棘付きの重りを身体の中に抱えながらも、自分の意思の如何にかかわらず立ち入るべきではないものとして扱われている現状を可視化した。

《Ideal Situation》

B1(72.8×103.0cm)×4枚,Illustrator・Photoshopで作成

絹目調写真用紙にインクジェットプリント

人間がコミュニケーションを図り、また他者を理解しようと努める上での普遍的な価値観を抽象的に描写したポスター作品群。

他者の行動や言動を見つめ直し、それらを形作る思考の過程に思いを馳せながら個々のあり方を尊重するとともに、制作過程でのグラフィックによる再解釈を通して自らにも強く焼き付けようと試みた。

私は今、作品を通してあなたを知りたい。

本質的な他者理解のためには、自分自身の常識をどの程度破壊し、自分の価値観として再構築できるかが重要であるという主張。

他人同士であれば必ず存在する「理解できない部分」に本当の意味で寄り添うには、自己犠牲を払う必要も生じる。相対する二つの価値観が衝突と破壊を経て融合していく過程を視覚的に表現した。


優しい自分として生きることがもたらす様々な側面がテーマ。

優しい人として認識されることは自らを安全圏に留めるが、同時に他者からのそのような評価が自らの行動や言動を統制し、息苦しくさせることもある。

その様相を示すかのように、柔らかく弾力のある感触の形体が、今にもはち切れそうなほど縛られ、空間を圧迫していく。

人間はしばしば明確な結果や答えを持つことを求められ、また見た目にわかりやすい個性が賞賛されやすい。

しかし一見曖昧ではっきりしないように思える人も、複雑な思考が絡み合う中で一つの明確なアイデンティティを形作っている。私たちは想像力をもって、その繊細な個性を尊重すべきである。


膨張して溢れそうな自我を模した形体と、それを包み込む形体。

このポスターでは「自分らしくいる」ということを選択する時、そのネガティブな側面から目を逸らし責任を他者に委ねるのではなく、それも自分の一部だと正面から受け止めるべきだということを主張する。


飯間 朱音/デザイン

革命期ロシアのセンセーショナルなポスター表現に心惹かれ、研究テーマに。そこから影響を受け、現代の社会的課題や人間の内面を反映したポスターを制作しています。卒業旅行こそはロシアに行くつもりでしたが、第6波で諦め半分…

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